ボードゲームとカラーユニバーサルのお話 ー ”色覚多様性”編
いろいろなことに一段落がついたので、ブログに戻ってきました、ぼーらです!
ボードゲームとカラーユニバーサルのお話 第一弾
久々の投稿で唐突な内容かと思いますが、これって意外と浸透していないし、いわゆる一般色覚の人には理解しがたいことだろうなあと個人的に思ったので、シリーズ的に「ボードゲームとカラーユニバーサルのお話」と題して、お話させていただきたいと思います。ボードゲームとの関連だけでなく「色覚異常」(あえて)全般に関して、個人的にまとめ的に主観も交えていきたいと思います。
そんな第一回は「色覚多様性」について私の経験とともにお話できればと思います。ボードゲームとの関連というより、色覚多様性について知ってもらおうという内容になっています。(←この赤字も見にくいので次からは赤字部分はオレンジにしますw)
色覚多様性
プロフィールにも書いているとおりボードゲーマーな私なのですが、同時に「色弱」でもあります。
ボードゲームってプレイヤー分けやスート分けや資源分けなんかに色を使うことが多いと思うんですが、プレイしてて色を間違えたり、何色だ?となることがしばしばあります。たまにではなく、割りとしばしば起きます。
私は別にいいのですが、そこで自身の「色覚異常」(あえて)の弊害に落ち込んでしまう人も少なからずいるのではないかと思います。
また、あとにも書きますが未だに「色弱」「色盲」「色覚異常」を区別なしに使用する人が多いですが、2017年9月に日本遺伝子学会から遺伝学用語改訂として「色覚多様性」と呼ぶことになりました。
まあ当事者の私は、あえて自分を「色弱」と名乗っています。というのも、私自身この事実に開き直っていて友人間等で自らネタにしているためで、わざと皮肉的に「色強」なんて言ったりもします笑。その為本記事でもこと私自身に関しては色弱と記載させていただきます。
私自身、色覚多様性仲間は高校の頃の友人で1人だけで、しかも私より軽度だったので未だに色覚に関して同士を見つけられていません。
男性の約5%、20人に1人が色弱とか言われていますが、みなさんも気づいていないだけで意外と色覚多様性の扉を開けているかもしれませんよ?(女性にも0.2%程度で存在しているそうですよ)
ぼーら色弱説
さて、私がいつ自分が色弱だと気づいたかについて昔話を少しばかりさせてください。
あれは小学6年の誕生日でした。親から誕生日プレゼントでショルダーバッグを貰ったのですが、貰ったとき子供なりに気を使って「わーい」的な感じだったのですが、私はそれがあまり気に入っていませんでした。
それはバッグの色が「濃いピンク色」に見えていたからです。「男でピンクはいやや…」と思っていました。
それで露骨に使う頻度が少ないことを親に問われて、ピンクだからちょっと…といったら「え?紫だよ?」って指摘されたのでした。
当時は色覚多様性の存在を知りませんでしたから、「しょうげき を うけた▼」程度でした。
中学に入り、親から時計をもらいました。青い時計でかっこいいありがとう!というと、再び来ました「え?紫だよ?」。
・・・悟りました。調べました。なるほど自分は色弱なのかと理解しました。
その時点ではあまり落ち込みもせず何も感じなかったのですが、意識し始めるとこの色はどうだ?という疑問が生まれて友人に聞く用になりました。そのうちに、開き直って、ネタにして笑い話にしていますが。(話のタネに困らなくて助かります(自虐))
そんな私でも「色盲」と時々言われると、とても複雑な気分になります笑。というのも、そこで私が反論するのも失礼だと考えますし、かと言って実際に「色盲」ではないので。
また、個人的に感じているのは、周囲の色によって見える色が劇的に変わるなってことです。これは一般的にも錯視の画像があるくらいで有名な事実かと思いますが、私達には顕著なのかもしれません。あと濃淡には多少強い?(個人差あり?)
色覚区分
ここで、色覚区分について一つまとめて見ます。と、その前にアカデミックな話になるのですが、視野に関する視神経細胞には、暗いところで働く「杆体, rod」と明るいところで働く「錐体, cone」と呼ばれる2種類が存在します。中でも錐体はその完治できる色の違いによりL錐体(旧:赤錐体)、M錐体(旧:緑錐体)、S錐体(旧:青錐体)に分けられます。L,M,Sと言うのは光の波長がLongかMiddleかShortの頭文字です。スタバのShort、Tall、Grandeみたいなもんです(違うw)、Ventiはありません(それはそう)。色覚多様性というのはこれら錐体が一部欠損しているだとか不完全とかで生まれます。
下の表に分類をまとめました。まあなんか色覚多様性という呼称に変わったのに異常3色覚の「異常」の文字は消えないの?って感じもしますよね笑。(もし変わってるよって言うのをご存知でしたら教えてください)
追記:下表の最右列を修正しました(「見え方」→「錐体」)2018,02/15
色覚区分 | 錐体 | ||
大区分 | 旧呼称 | 小区分 | |
1色覚 | 全色盲 | L錐体 | L○M×S×(青緑×) |
M錐体 | L×M○S×(青赤×) | ||
S錐体 | L×M×S○(赤緑×) | ||
2色覚 | 色盲 | 1型 | L×M○S○(赤×) |
2型 | L○M×S○(緑×) | ||
3型 | L○M○S×(青×) | ||
異常3色覚 | 色弱 | 1型 | L△M○S○(赤△) |
2型 | L○M△S○(緑△) | ||
3型 | L○M○S△(青△) |
参考:
国土交通省:http://www.mlit.go.jp/common/001065963.pdf
私は1型色弱、2型色弱が当てはまる、一般的に言う赤緑系色覚異常に分類されるのですが(検査済み)、生活で困ることといえば料理(特に焼肉やしゃぶしゃぶ等の薄切り)の肉の焼き具合がわからないとか、服を一人では選べないと言うくらいでしょうか。ステーキ肉のレア~ウェルダンなんかは流石に判別できます。自動車免許持ってるので当然信号も判別できます。
ちなみに序盤で高校の頃の友人は軽度だったので・・・と言いましたが、色覚にもその不完全さ(?)の強度があります。それこそ簡単に軽度、中等度、強度の3段階ですが私は強度と診断されています。世の中の色覚多様性が見つからないのは、軽度な人が気づかないケースが非常に多いからなんでしょうか。
ちなみに、青が見えない3型の人が非常に稀だと言われているので、私だ!っという方がいらっしゃいましたら挙手をお願いします!笑
色覚テスト
では自分が色覚多様性に当てはまるはどうか、知るためにはどうすればいいか。
方法は2つですかね。①眼科or眼鏡屋に行くか②色覚テストの本を買う
①が一番確実ですね。私は眼科でなく大手眼鏡屋で検査をしてもらったため、眼科で検査にかかる料金はわかりませんが、私の行った大手眼鏡屋ではたった500円で店舗で検査してもらえました。
ただ、検査用のキットの出回ってる数が少ないらしく、眼鏡屋に行く場合は、長くて1ヶ月、短くて1週間前くらいには予約を取りに行かなければなりません。
検査の最後に自分の色覚をいわゆる正常色覚の見え方にできるだけ近づける補正レンズを着用させて頂いて、「世界はかくも鮮やかであったか…」と少し感動しました笑。
ただこちらの補正レンズも注意点があって私の場合は強度1型3色覚との診断だったため、赤系の補正レンズを着用して赤は鮮やかになりましたが、無理やり赤のブーストを掛けてるような状態なので、逆に白が薄くピンクがかってしまうことになりました。(価格も7万くらいする…)
②については、ネットで「石原式 色覚テスト」とか検索すると大量にヒットしますが、それをやるのはあんまり意味がないです。何故かと言うと、そもそも実物(本)でやることを前提にして作られたテストですし、PCやスマホを通して見るとディスプレイの補正やなんやらで実際の色とは違う色になっている/見えるからです。
実際こちらの画像(【ひょっとして色覚異常?】簡単にできる色覚テストを集めました☆ - NAVER まとめ)
私の見え方は、上段が「6 12 みえない」下段「17 70 5?6?」という感じです。3型でもないのに17が見えるのはおかしいですねえ。これの詳しい解説は検索すればいくらでも出てくるのでココでは割愛します。
ほかにも、最近私がやっている方法なのですが、色を友人に指摘されたときにスマホのカメラを通してみると、肉眼と違う色(正常色覚寄り)に見えるという事があります。もちろん、それでも見えないことは多々あります。
多々見えない例はこちら、
フリクションの黒と緑
ZARAの水色と紫のカーディガン
見えるようになる例
ネクタイの色、実物は光の関係もあって真っ黒見えました。スマホで撮った状態でも見えませんでした。PCに取り込んだら赤と緑のラインがちゃんと見えました。(謎)
ボードゲームのコマの色。水色とピンク。実物では間違えて取っていた。スマホで撮ると見えた。
あとネットに落ちている診断系でこういうのがあると私も遊びでやってみるのですが、大抵「見えない」って選択肢がなくてそっ閉じするケースが多いです笑
ですから、もう一度いいますが、やるなら、本を、買ってください。
とは言ったものの、一般の人が購入できるのかは不明なので、やはり①がいいでしょう。
参考までにAmazonのリンクを掲載しておきます(アフィではないです)
1万以上しますからやっぱり①がいいです。
雑記
今回は導入として「色覚多様性」を知ってもらう回でした。いかがだったでしょうか。え?全部知ってた?それは素晴らしいことです。間違いがあればぜひ指摘してください!
さて、私の話が結構もりもりの内容だったので、お前の話はもういいよという人もいらっしゃったかもしれません。実際私はかなり軽く前向きに捉えているのでこんな感じで書いていますが、世の中には色覚多様性から将来の夢を諦めなければならない人などもいらっしゃいます。次回からカラーユニバーサルとはなんぞやという話に入っていきますが、出版物などを出される方には我々のような存在がいるということを、頭の片隅においていて貰えると嬉しいですね。
そして、「色覚多様性」という単語を改めて使ってみて、感じたのは非常に使用利便性が悪い単語だと言うことですね、記事中にも何度か言い方を使っていますが。「色弱」のようにいわゆる色覚異常の人をまとめて呼称しづらくなって(それが狙いなのでしょうけども)、「△色覚」あるいは「○型」のように区分を言わないといけなくなりましたが、世の中の9割以上の正常3色覚の人にこれら区分を覚えろという方が無理だろうなと感じました。
また、色覚差別というものが存在するらしく、それを撤廃する運動もあるようですが(日本色覚差別撤廃の会)、個人的にはそういうの嫌だなと思ってしまいます。制度的色覚検査撤廃なども掲げていますが、小さいうちに自分の色覚を知っておくというのは将来のために大事だし、パイロットなどの小さな信号灯の色を見るような職業はちゃんと安全が保証されるべきだし、これらは「色覚多様性」の目的にもかなっていると思っているので、自分で自分たちの首を絞めようとしているように見えてしまいます。
豆?知識ですが、画家のゴッホは色弱だったのではという説があってですね。
夜のカフェテラスと題されたこちらの有名な一枚。中央の町並みの方向には正常色覚の人にはほぼ真っ黒に見えるらしいのですが、私には深く青の色を感じることができます。だからドヤとは言いませんが、このように色覚多様性を持つ人のほうが、繊細に色を感じることができる場合があるようです。「色強」は一部間違っていないのかもしれませんね笑笑。それでは、つづく!
参考:asada's memorandum (ゴッホの本当のすごさを知った日)、夜のカフェテラス ゴッホの作品解説
その他参考: